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ALS(筋萎縮性側索硬化症)を発症した父との別れ

父がALS(筋萎縮性側索硬化症)を発病し8月3日にこの世を去りました。
告知を受けて約3カ月、あっという間の出来事でしたが
私たち家族は父の最期と向き合い、とても濃密な時間を過ごしました。

同じ病気で闘っている方々、ご家族にとって
少しでもお力になれたら、と思いここに文章として残しておきます。
だらだらと思い出も書き記しますが、そこはご容赦を…


【ALS告知から入院まで】
父は、母と離婚し何年も一人暮らしをしていました。
お医者様から告知を受けたのは、父本人でした。
ゴールデンウィークのはじめに、私のもとへ病気について知らせにきました。

GW開けすぐにかかりつけの病院へ、父と向かいました。
父は呼吸器系から病気が進行しているらしく、手足から進行する場合よりも進行の度合いが早いということでした。
少しでも体力があるうちに、胃瘻を作った方がいいということで、胃瘻手術の予約をして帰りました。

手術予定日まで1週間以上あったかな?
その間、家族(離婚した母も含め)で出掛けたり、ちょっといいお店の予約を取り食事したり
思い残すことがないように極力父のために時間を割くようにしました。

父は歩くことも、座ることも呼吸することも大変な中、とても精力的に友人やお世話になった方々に会いに行ったようです。入院のほんの数日前には高速バスで広島まで一人で行ったらしく、後で聞いた時には本当にびっくりしました。

手術の予定日よりも早くに父の体力が急激に落ち急遽入院となりました。
体力的に胃瘻が難しくなったので、鼻からの管で栄養と酸素が送られることになりました。
人工呼吸器はつけないという強い意志を父は持っていました。


【ALSは病名が診断されるまでに時間が掛かる病気です。】
体の不調から様々な検査を受けたうえでやっとALSと疑われるらしいです。
父も病名が判明するまでに色々な病院で検査を受けたようです。
症状としては、声が出にくい、疲れやすい、食が細くなる、痰で寝れないなど・・・
ALSの患者さんを身内に持つ方から病院を紹介され、
運良く、とても良い先生と巡りあることができました。
主治医も看護師さんも本当に親身になり良くしてくださいました。
感謝感謝で頭があがりません。


【ALSは難病指定の病気なので、医療費の自己負担が軽減される制度があります。】
●高額療養費の申請手続き
 限度額適用認定証が受給されると、父の場合病院への1カ月の支払いが約6万円弱でした。

●特定疾患医療受給者証交付申請
 主治医が申請してくださいました。
 受給者証交付に約3カ月かかりました。
 交付されたのは父が亡くなってからでしたが制度を利用することができました。
 申請日からの領収証を取っておけば、自己負担の月額限度額を越えた金額が返金されます。
 父の場合、ほとんどの医療費が返金されそうです。

●介護認定を受ける
 病院に調査員の方が来てくださいました。
 その後認定がおりるまで1カ月ほどかかります。
 一時帰宅の際などに介護サービスを受けました。

手続きなどでわからないことは、病院や区役所に聞くとだいたい解決することができました。


【様々な手続きの際にまとめて持っていた方がよいもの】
●保険証
●免許証
●通帳
●通帳に使用した認め印(印鑑証明もあったらなおよい)
●年金手帳
●手続きに行く者の印鑑


【一人暮らしの部屋の掃除&引き渡しの注意点】
●タオル、バスタオル類は入院中とにかく枚数が必要になるので取っておく
●必要で取っておくものも、衣類・燃える物・燃えない物と分類してから箱などで整理しておく
●請求書や領収書はとにかく取っておく
●一人暮らしの場合、大家さんの連絡先を聞いておく
●部屋を引き渡し後は、ガス・水道・電力会社に連絡し使用をストップしてもらう
●郵便物の転送手続き

大変だったのが一人暮らしをしていた父の部屋の片付けから部屋の引き渡しでした。
何年も一人暮らしをしていた部屋は、ちょっとしたゴミ屋敷化していました。
ゴミを捨てるのも一苦労です。
最後はなんでも持って帰ってくれるトラックを頼みました。(2万5千円成)


【入院中】
父の病状は、とにかく痰との戦いでした。
痰のせいで寝られなかったり、腔内環境も悪くなりました。
手足の筋力が落ちるよりも、痰による不快が見ていて気の毒でした。

筋力が落ちて大変だったのはトイレ問題でした。
失敗することが増えパンツやズボンが買っても洗っても間に合わなくなったり
おしめの種類も段階を経て様々な種類を使用しました。

アンモニア臭のついた洗濯物は、洗濯機までニオイが気になるようになりました。
ドラッグストアの介護コーナーにあるアンモニア臭に強い洗剤を使うことにより問題は解決されました。

不安から電話攻撃をしてきたり、せん妄から「誰々に命を狙われている」と言ってきたり、途方に暮れることもありましたが、病状の進行が早くそんな症状は3日と続くことはありませんでした。



【一時帰宅】
一時帰宅に関しては、母の協力もあり家に何度か帰ることもできました。
妹が中心となりケアマネージャーさんなどと相談しながら
レンタルするもの、ヘルパーさんに来てもらう時間など決めていきました。
父が帰宅できたのは自力でトイレに行ける期間だけでしたが
後に友人に「母の居る家で過ごした時間が本当に楽しかった。嬉しかった」と
言っていたそうで一時帰宅することが出来て本当によかったと思いました。

主治医や看護師さんが、一人暮らししていた父を気遣い「家族の居る人間らしい時間を過ごさせてあげて」と一時帰宅を何度も後押ししてくださまました。本当に感謝しています。



【別れのとき】
父の最期は想像よりも早くやってきました。
意識レベルが下がっているので、ご家族で来てください、と病院から連絡を受け
その日は妹と二人で病院に泊まりました。一時間毎の仮眠をとりながら交代で父のそばに居ました。
翌日の朝、母が病室に来てすぐに父は息を引き取りました。母が来るのを待っていたようでした。
やっぱり娘よりも元妻なのか〜〜〜〜、と思いましたよ。。。

父は一人暮らしでしたので、最期に気づかず何日も経ってたらどうしよう…と考えることもあったので、ALSという告知を受け、家族みんなで父の介護をすることができて本当によかたです。
父は幸せだったな〜〜〜と、つくづく思います。

葬儀も、四十九日も無事に終わりました。
婿養子で離婚したので、ちょっと複雑で入るお墓にも頭を悩ませましたが
なんとかよい結果となり胸をなでおろしています。

訃報の知らせは父の携帯のLINEから友人や知り合いに送りました。
いまどきですね。びっくりしましたが便利な機能です。



【大切な方が亡くなったら様々な手続きの際にまとめて持っていた方がよいもの】
●保険証
●免許証
●通帳
●通帳に使用した認め印(印鑑証明もあったらなおよい)
●年金手帳
●家族の通帳(遺族年金や医療費返還の時に家族の口座が必要です)
●手続きに行く者の印鑑
などを持って、とにかく一番に市役所や区役所に行ってください。
私の行った区役所では、やるべきことを一覧にした紙をくださり、色々と教えてくださいました。


【大切な方が亡くなったら行くべきところ】
●役所(様々な手続きがあります。職員の方に身内が亡くなった旨を伝えると、色々と教えてくださいます。住民票など携帯会社や銀行に行く前に必要な物を揃えておくといいですよ)
●銀行(亡くなる前にきちんと通帳の整理はしておいた方がいいです)
●携帯会社(携帯番号の解約)

困ったのは、新し物好きな父が携帯機種やタブレットを何台も持っていて携帯番号をいくつも持っていたことです。解約も本人がその場に居ないと本当に大変です。
必要のなくなった番号や機種は、本人がちゃんと整理しておくべきですね。


以上、思いついたままに書き記してみました。
難病指定、親の介護、お葬式など、はじめての出来事ばかりで大変でしたが、力を合わせられる家族がいてネット社会が普及していて本当に助かりました。

このつたない文章で、難病告知により途方に暮れている方々の
のやるべき事が見つかったり少しでも不安がやわらぎますように。

一応、体験した事を書き記しましたが、誤った情報がありましたらごお許しください。。。



by rire-rire | 2015-09-20 22:39 | その他